声は人の心を開く鍵

声は人の印象を左右する、とても大切なものです。
電話の声から、「この人は優しそうだな」とか、「仕事ができそうな人だな」と感じた経験はありませんか?
最近では、面接対策のボイトレや、ビジネスマン向けのボイトレ教室も増えました。
それだけ、声に対する関心が高まっていると言えるでしょう。
男女ともに、モテる人は総じて、相手に心地よく感じてもらえる良い声を持っています
声は人の心を開く鍵です。
歌に感動する原理も、まさにそこにあるのです。
そして良い声というのは、誰にでも与えられています。
今回は「良い声になる」をテーマに書いていきたいと思います。

理想のイメージに囚われると良い声から遠のく

理想とする声のイメージはありますか?
好きな歌手や、声優さん、俳優さんのような声になりたいと思っているかもしれません。
具体的なイメージがあること自体は、とても良いことです。
彼らのように自由に声で表現できたら、楽しそうですし、素敵ですよね。

でもここに落とし穴があります。
彼らと同じ声帯を、あなたは持っていないのです。
声帯が違うということは、楽器が違うということ。
楽器が変われば、扱い方はそれぞれ違うわけです。

彼らと同じ練習をしても、表面上を真似をしてみても、ほとんどの人は同じ声を出せないのです。

良い声の人の共通点

人に好かれる良い声の持ち主に共通していることは、自然体であることです。
その人が本来持っている声で勝負しているのですね。
喉を締めたり鼻にかけたりせず、自然な発声から生み出される声を人は好みます

無理のない自然な声の出し方を知らないと、喉を締め付けたり、息を混ぜすぎたりして、喉を痛めます。
聞いている人も、あまり心地良くはないですし、なにより、声を出している本人が一番苦しいはずです。
つらいと感じた時点で、発声に問題があると思いましょう。

自分の耳は信用ならない

ピアノやギター、ヴァイオリンなどの楽器は、弾いた瞬間から自分の出した音を客観的に聞くことができます。
それは上達・改善において、大きなメリットです。
しかし、歌だけはそれができません
歌ったり声を出したりすると、人の体は共鳴します。
その振動は骨伝導として伝わり、声を出した本人にのみ聞こえます。
同時に、声帯から発せられた声も、外の空気を振動させて耳へと届きます。
体内に響く音と、耳から入ってくる音を同時に聞いている状態なので、自分の声を客観的に聞くことは難しいのです。
だからこそ、歌や声のトレーニングには、先生に聞いてもらえるレッスンが重要なのです。

効果的な練習の鍵は録音にあり

自分の声を客観的に聞くことができない理由は、先ほどお伝えしました。
とはいえ、いつでも誰かに自分の声をチェックしてもらえるわけではありません。
そんなとき、ひとりでも自分の声をチェックできる方法として、録音があります。

携帯のボイスメモでも、ICレコーダーでも構いません。
自分の歌や話す声を録音することで、客観的に自分の声を観察することができます。
観察は、上達への第一歩です。
実際に自分の声を聞いてみると、思っていたのと違う!と驚かれるかもしれませんね。

出てくる声以上に体の状態に意識を向ける

自分の声が自覚できたら、次は自分の体に意識を集中させましょう。
声を出したときの自分は、どんな状態だったでしょうか?
声が震えていたなら、お腹の筋肉が緩んでいた可能性があります。
息が続かなかったなら、呼吸が浅かったのかもしれません。

声を整えるときに重要なのは、声を出す前の準備なのです。
出てきた声は結果です。
結果を受け止めて改善するには、声を出す前段階での修正が必要となります。
起きた事象を指摘することは、誰でもできます。
L’atelier d’Yのレッスンでは、根本的な原因を取り除くための方法をお伝えしています。

体の声に耳をすませる

歌のレッスンやボイトレをするとき、つい声のことばかりに集中してしまいがちだと思います。
もちろん自分の声を聞くことも、上達への大切なプロセスです。
しかし、声を聞くことばかりに注意を向けていると、体の状態が疎かになってしまいます。

自分の声を聞くことと同時に、体の状態も観察するようにしましょう。
良い声が出たときの状態がわかれば、発声が崩れたときに自分で修正できるようになります。
自分ではよくわからないと思ったら、人にアドバイスを仰ぐのもおすすめ。
ちょっとしたきっかけで、声が劇的に良くなることもあるからです。
自己流のボイトレに限界を感じたら、レッスンに通い始めるタイミングかもしれませんね。

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